分子間ポテンシャルエネルギー −分子間引力−


2つの分子・原子の間には引力が働く。それゆえ、液体や固体のように分子・原子の凝集体構造ができる。しかし、分子・原子が互いに非常に接近すると、今度は強い反発力が生じる。それゆえ、液体や固体はある体積を保っている。

これらの力のもとになっている分子間ポテンシャルエネルギーを以下に図示した。

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中心付近に鋭いポテンシャルエネルギーの障壁ができている。したがって、2つの分子は重なり合ってしまうほど接近はできない。

この反発力の原因は次の二つの効果だ。

  1. 二つの分子の電子雲が重なり合うほどになると、双方の原子核に集中した正電荷同士の反発力が生じる。原子核の電荷を電子雲が静電的に遮蔽する効果が効かなくなるのだ。
  2. Pauliの禁則というものがある。同一のエネルギーレベルの電子が、同一の空間を占めることはできない。二つの同じ分子が接近すると、複数の電子が同一の空間に詰め込まれないように、電子雲が歪み、これが反発力を生む。

分子間距離が離れているときは、引力が働く。この原因は以下のようなものだ。

この辺の内容のヒントになるJava Applet

分子運動のJava Applet

重力や浮力が入ったときの分子運動のJava Applet

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ポテンシャル曲面を下から覗いてみた。この中心に分子の重心があるわけだ。ポテンシャルの障壁の脇には、ポテンシャルエネルギーが最少となる縁がある。運動エネルギーが小さい分子では、このポテンシャルエネルギーの谷底の位置で振動を続ける。

固体の状態は、分子がこの谷底の位置にいて束縛しあっている状態だ。

液体では運動エネルギーがもう少し大きくなり、束縛が緩くなってくる。

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物体は通常、温度上昇とともに膨張する。これは、分子の振動・運動が激しくなるためだ。しかし、対称的に振動しているならば、振幅が大きくなっても重心位置は変わらない。

物質が膨張するのは、分子間ポテンシャルエネルギーが非対称、つまり分子同士は非常に接近することはできないが、離れるほうは容易であるためだ。振動が激しくなると、どうしても分子同士が離れる方向に振動の中心が移動する。

さらに進んで、分子間の結合様式については、理学部化学科松田先生のサイトを見てみよう!