氷の上に置いたインクの液滴


(実験)氷の上にインクを一滴静かに垂らす。インクは氷の上で小さく盛り上がっている。 この氷をマイナス20℃の冷凍庫にしまっておこう。

インクは小さなコロイドが溶媒の中に浮遊しているものだ。 インクをマイナス20℃の中に置くと凍り付いているのが見られる。

一週間ぐらいして見てみると、インクがわずかに氷の中に侵入している! インクは多くの場合、樹状に氷の中に入り込んでいるようだ。 どうして固体の氷の中に長時間かけて侵入したのか?

授業でよく出る答え @インクの温度が高いので、氷を溶かして浸透するが、やがて凍りつく。 (実験)インクの温度を0℃程度にしておいて低温の条件のまま氷の上に置いてみよう。 また、インクが凍り付くまでの間に浸透するのか、氷結した後は浸透しないか。

Aインクは水よりも氷点が低いので凍りにくく、浸透する。 (@の考えとのわずかな違い) 氷は固体のまま、インクは液体で動きやすいので氷の結晶に侵入。 (実験)インクの氷点は何度?

Bインクは熱伝導率が低く、氷に触れていても温度が下がりにくいのでは?

確かめたいこと (実験)インクはどのくらいの時間スケールで氷の中に侵入するのだろうか。 インク全体が液状を保っている間に侵入してしまうのか。

C重力によって沈み込んでいく。 これは一つの考えだ。氷の下にインク滴を固定しておく事ができれば重力の効果を確かめられよう。

インクは凍結していても氷の中にわずかに侵入できる。 基礎に戻って考えよう。マイナス20℃でも絶対0度に比べれば温度は高い。 マイナス20℃では、氷を構成する原子の振動がかなりある。インクも同様。 激しい動きがあるから交じり合っていくことができる。

(考えるヒントになるモデル実験) 色の違う玉を2層になるように袋の中に入れておこう。そのまま静置しておいても交じり合うことはない。しかし、ある程度以上の振動を加えておくと混合するようになる。 玉の質量と振動の強さをかえて、振動による混合の実験をしてみよう。


熱とエネルギーの内容に戻る