ポテンシャルエネルギーと力

または、

ポテンシャルエネルギーと運動

「ポテンシャルエネルギー」とは、高校の教科書で「位置エネルギー」といっていたものと同じものだ。
では、どうして「ポテンシャル(潜在的)」と呼ぶのだろう。


物体は力の作用によって動く。
物体は力を受けて加速され、運動エネルギーが変化する。
そこで、力を受けることで潜在的にエネルギーが蓄えられて、それが運動エネルギーに変わっていくのだという風に考えて、「ポテンシャルエネルギー」という呼び方ができるのだ。

「ポテンシャルエネルギー」U (x) は、物体がある位置にいるとき、ある形状をとるときに持つ、潜在的なエネルギーだ。

This is Java applet.

F (x) と、ポテンシャル U (x) との間には次のような関係がある。(x軸上の1次元運動だけを考える)

forcepot.gif (853 バイト)

この式の意味を考えよう。
右辺は縦軸に U (x) 、横軸をx軸としたとき、 U (x) のグラフの傾きに負号をつけたものを表わす。つまり、任意の位置 x で物体が受ける力 F (x)は、位置 x でのポテンシャルエネルギー U (x)の勾配にマイナスをつけたものになる、ということだ。

実は、ポテンシャルエネルギー曲線が分かっていると、運動の様子もすぐに推定できる。
目に見える(visible)物体の運動は、ポテンシャルエネルギー曲線の「すり鉢」の中で物体が動くのを射影して見ているような様子なのだ。

上のアプレットでは、ポテンシャル曲線が2つの極小値を持つ場合の例だ。基本的に振動運動を繰り返すが、物体の初期位置によって、運動の範囲が異なる。初期位置が違うと、はじめに持つ潜在的エネルギー=ポテンシャルエネルギーが異なるからだ。

図の中でマウスをクリックすると、x軸上でのその位置から運動が始まります。

初期位置で物体が静止しているときは、運動エネルギーはゼロ。しかし、もしもポテンシャル曲線の傾きが0でなければ(力が0でないから)動き始めて、ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに変換されていく。

もしも、静止した物体の「初期位置」がポテンシャル曲線の勾配が0の位置だったら?

力は0だから静止しつづける。...こうした位置を平衡位置と呼ぼう。

じゃあ、もしも、物体が平衡位置で、ちょっとでも運動エネルギーを持っていたら?

その平衡位置がポテンシャル曲線の谷底(極小値)だったら => 谷底付近を振動する。これを安定平衡位置と呼ぶ。
安定平衡位置の近傍では、物体は常に平衡位置の方向に力を受ける。

その平衡位置がポテンシャル曲線の山の頂上(極大値)だったら => 山から転がり落ち、遠ざかっていく。これを不安定平衡位置と呼ぶ。
不安定平衡位置の近傍では、物体は平衡位置から遠ざかる方向に力を受ける。

上のアプレットで、Shiftキーを押しながら図の中でマウスを縦軸方向にドラッグすると、その位置で物体が運動エネルギーを持ちます。下のボックスにマウスの座標位置が表示されますので、それを参考に動かしてみてください。(マウスの矢印の頂点と座標位置とにずれがあります)

visible world での物体についた矢印は、その物体に働く力の大きさと方向を表わします。(これはポテンシャルエネルギーから上の式を用いて計算します。)また、物体の下に、その物体の位置と速度が表示されています。この図では右向きが正の座標系を使っています!

また、物体の受ける力は位置で決まりますが、運動速度は物体の慣性質量 m に依存します。質量が大きいと同じ力を受けても加速度が小さい。

慣性質量の大きさを変えるときは、スクロールバーやテキストボックスの数値を変えて下さい。10〜100の範囲で変えられます。

注:マウスを動かして、マウス座標の数字表示が遅い場合には、このアプレットは使いづらいと思います。また、安定平衡位置近傍で運動が減衰したり、物体が運動の方向を変えて戻ってくるときに止まっている時間が長かったりします。大目に見てください。