バネにつけた物体の運動

バネの先についた重りが、摩擦のない水平面上を自由に運動している。バネを、伸び縮みしていない平衡位置x = 0 からずらして放すと、物体は往復運動を始める。

この運動は以下の二つの要素によって特徴づけられる。

バネが平衡位置から x だけ変位しているとき、バネは物体に以下の力 f を及ぼして x = 0 の位置に戻そうとする。

f = -kx
上の図の中で、この復元力が赤線のベクトルで示されている。kはバネ定数 (spring constant) と呼ばれ、復元力の大きさを決める。
物体は同じ運動を続けようとする性質がある。物体の質量(inertial mass) M が大きいほど、運動を変化させるためには大きな外力が必要になる。

実際、この振動運動の周期 Tkm だけで決まってしまうことを思い出そう。k が大きいほど振動が早く、mが大きいほどゆっくり往復する。

運動をエネルギーの観点から考えよう。バネを平衡位置から伸ばしたり縮めたりするとポテンシャルエネルギーがバネに蓄えられる。ポテンシャルエネルギー(potential energy) U(x) はバネの変位 x が大きいほど大きく、バネが強いほど(つまり k が大きいほど)大きくなる。

U(x) = kx2/2

物体がバネの力を受けて運動すると、ポテンシャルエネルギーは物体の運動エネルギー(kinetic energy) K(v) に転換していく。運動エネルギーは物体の運動の性質(速度 v と慣性質量 m)によって表される。

K(v) = mv2/2

つまり、はじめにバネを変位させることによって、バネの先に重りがついたこの物理系(組み合わせ)にポテンシャルエネルギーが蓄えられた。それから自由に運動させてやると、はじめに与えたポテンシャルエネルギーを元手にして、これを運動エネルギーに転換したりポテンシャルに戻したりしている。

運動は目に見える(visible)。けれどもその裏には直接目には触れないが(invisible)ポテンシャルの世界がある。運動のおおもとはこのポテンシャルの大きさや形(バネの場合は2次曲線)で決まっている。

このアプレットでのバネの振動は理想的で単純である。実際にバネに重りをつけて振動させてみよう。よほど慎重にまっすぐバネを伸ばしたつもりでも、バネは左右に振れだして複雑な動きが見えてくる。やがて振動は減衰して止まってしまう。この実際の動きを観測・録画して、その特徴を調べてみよう。