分子間力を及ぼし合う粒子系


気体・液体・固体は、互いに相互作用する多数の粒子の体系です。粒子間相互作用の代表的な例がLennard-Jonesポテンシャルで与えられるものです。これは非極性分子間のポテンシャルエネルギーによく当てはまるといわれています。下図ではこのポテンシャルのもとでの粒子の運動を示しています。

分子間には、分子が離れているときは引力、重なり合うほど接近すると強い斥力が働きます。従って、運動エネルギーが小さいときは、分子同士はやがて集まり合って凝集体を作ります。運動エネルギーが大きいと、分子間の引力の影響が相対的に小さくなり、分子は自由に動き回るように見えます。

上の図では、粒子が壁に衝突するたびに、運動エネルギーを上げたり下げたりすることができます。
つまり、壁で粒子系の「温度」を上げたり下げたりできます。これは、粒子の個数を2〜3個程度にして動かしてみると良く分かると思います。

coolingの方にスクロールバーを動かすと、粒子の運動はゆっくりになり、やがて粒子はお互いにくっつき合います。

heatingの方にバーを移動すると、粒子の凝集体は壁にぶつかる毎に運動エネルギーを増し、粒子は次第にバラバラになっていきます。

ところで、良く考えるとここには興味深いことがあります。

凝集体ができたときでも、粒子は互いに結びつき合いながら振動しています。ある粒子が、例えば壁に当たったときに運動エネルギーが増したとすると、その粒子はすぐに集団から離れてしまうでしょうか。

離れてしまうこともあるが、大抵は、周りの粒子との相互作用によって、運動エネルギーを周囲の粒子に与えてしまい、すぐには離れません。

集団の各粒子の運動エネルギーが高くなってくると、潜在的に結合は緩くなっていて、その集団の中でたまたま大きなエネルギーの分け前をもらったものが離れていけるようになります。

集団から大きな運動エネルギーを持った粒子が外れていくと、結局その集団からエネルギーが持ち出されたことになります。すると、その集団にはまた少しエネルギーを供給してやらないと、どれかの粒子が離れていくことが出来にくくなります。

多粒子が、ある構造を作ったとき、その構造は変化に対して元に戻そうとする傾向が自然に生まれているのです。


このアプレットはシミュレーションとしては余りきちんとしたプログラムではありません。粒子が箱の4隅にとどまるとき動作がおかしくなることもあります。また、粒子の速度はある程度以上は上がらないようにしてあります。だからいくらheatingしても、ある程度までしか運動は激しくなりません。